符号化とは?標本化・量子化との違いからデジタル符号の特徴まで解説!

符号化とは第1章
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符号化とは、何らかの情報を数字などのデータに変換して記録することです。コンピューターは0と1の2進数しか扱えないため、全ての文字や数字はコンピューター内部で2進数に符号化されています。このように符号化はデジタル機器には欠かせない処理です。標本化・量子化と混ぜて考えてしまいがちですが、はっきりと区別して解説します

このページでは、

  • 符号化とは
  • デジタル符号の特徴
  • 様々な符号化

を解説しています。

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符号化とは

符号化とは、エンコードとも言い、情報を一定のルールに基づいて数字や記号などのデータに変換して記録することです。標本化、量子化と並んでデジタルデータに関する重要な処理の1つです。

標本化、量子化について確認したい方は以下の記事へ↓

一例として、アナログ信号からデジタル信号への変換(A/D変換)で符号化が行われます。A/D変換では標本化と量子化を行いましたが、実際にデータとして保存するときは量子化で得た値を2進数に変換します。この変換が符号化です。

標本化・量子化・符号化の違い

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2進符号

コンピューターは情報を0と1の2進数で処理します。そのため、先述のように、数値のデータをコンピューターで扱うには2進数に符号化する必要があります。2進数に変換された数値を2進符号(デジタル符号)といいます。

10進数012345678
2進符号000000010010001101000101011001111000
10進数と2進符号の対応表

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デジタル符号の特徴

デジタル符号(2進符号)のメリットとして、ノイズに強いこと、圧縮できることが挙げられます。

ノイズに強い

アナログ信号では、何らかの原因でノイズが入ってしまうと元に戻すのは困難です。一方で0と1で表現されているデジタル符号では、ノイズが入っても信号が変わってしまう可能性を抑えられます

アナログ信号とデジタル信号のノイズ耐性の違い

また、デジタル符号ではノイズで信号が変わってしまっても、その検出や訂正を簡単に行うことができます。例えば、信号の最後に今までの数値の合計を追加して送れば、誤りがあることを効率的に発見でき、もう一度送るなどの対策をとることができます。

一方で、一般にアナログ信号では誤りの検出や訂正は手間がかかります

デジタル信号の誤り検出

圧縮できる

デジタル符号は容易に圧縮することができます。つまり、データの長さ(量)を減らすことができるということです。

例えば、1から9の数字の羅列を送るとしましょう。ここでは簡単に考えるために2進法ではなく10進法の数字で考えます。繰り返し出てくる数字があるなら、例えばそれを0と置き換えるルールにしてしまえば、データを減らすことができます。

可逆圧縮

このように完全に元のデータに戻せる圧縮方法を可逆圧縮といいます。画像ファイルのPNGでは可逆圧縮が使われています。

反対に、人間が判別できないような部分をそぎ落とすという考えで行う圧縮方法を非可逆圧縮といいます。JPEGでは非可逆圧縮が使われています。

様々な符号化

先ほど2進符号を紹介しましたが、符号化には様々な種類があります。その一例を紹介します。

グレイ符号

グレイ符号は、2進符号と同様に0と1で表現しますが、数値と符号の対応関係が異なります

2進符号は2進数に従って数値を符号化しますが、グレイ符号では、隣の数値を表す符号どうしで0・1が変化する桁が1つだけとなるように符号化します。具体的には以下のようになります。

10進数012345678
グレイ符号000000010011001001100111010101001100

数値が近ければ符号も近いものになることから、誤りが抑えられるなどとして様々な処理で活用されています。発展的ですがWikipediaの解説がわかりやすいので興味があれば確認してみてください。

文字コード

コンピューターでは文字も全てデジタル符号で表されおり、符号化の一例と言えます。それぞれの文字をどのような符号で表すかの対応関係を定めるのが文字コードです

文字コードの例として、アルファベットや数字などを7桁の2進数で表すASCIIや、日本語も含まれるShift JIS、多言語を扱うものとして世界的に最も普及しているUTF-8などがあります。

文字コードASCIIShift JISUTF-8
「A」0x410x4141
「あ」(なし)0x82a0E38182

3行まとめ

このページでは符号化について解説しました。まとめると以下の通りです。

  • 符号化とは、情報を一定のルールに基づいて数字や記号などのデータに変換して記録することである。
  • A/D変換では標本化・量子化で得た数値を2進数に変換する符号化が行われる。
  • デジタル符号は、ノイズに強い、データ量を圧縮しやすいという特徴がある。

皆様の参考になれば幸いです。

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